悩みの解決は価値ではない〜AI時代に生き残る仕事〜

日本人の半分が仕事を失う時代

朝、新聞を開くと、
「サピエンス全史」「ホモ・デウス」
で有名な歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏
へのインタビューが載っていた。

その内容は、近い将来、
人工知能(AI)の発達によって、
人類の大半が職に就けない「無用者階級」に
なるだろうというものだった。

先日も別の記事で書いたが、
AIの発展は凄まじいものだ。

モノを組み立てるといった単純作業はもとより、
新聞記事の執筆など言葉を扱う仕事、
また企業の管理職のような、
人間でさえある程度の知識と経験が必要な仕事も、
AIによってまかなわれつつある。

中でも仕事として絶滅危惧種に
挙げられているのが、
旅行業者と銀行員である。

銀行員といえば、
今でもそこそこの高給取りである。

僕の彼女もとある銀行で働いているが、
まだ2年目の彼女でさえ、
他の業種と比べれば
結構な額を毎月もらっている。

だが現実に、2017年の秋にみずほ銀行は
AIやテクノロジーに追いつこうとして
10年間に全人員のうちの4分の1近くに当たる
1.9万人を削減すると打ち出した。

英オックスフォード大と野村総研によれば、
2030年ごろには日本の労働人口の49%が
AIやロボットなどによって
自動化されている可能性があるという。

 

営業マンでさえ仕事を失う

となると、どうしても考えざるを得ないのが、
自分の仕事は大丈夫なのかということだ。

結論から言えば、大半の人は
大丈夫ではないと考えていた方が、
正しいだろうと僕は思う。

というのは、
現代の仕事はほとんどが
システマティックに
簡素化されたものだからだ。

どういうことか?

例えば車を組み立てるとする。

その車には必ず「規格」という
型にはまったサイズのパーツや
組み立て方がある。

車を組み立てるには、
型にはまったサイズのパーツを
その通りに作ればよく、
また説明書の通り組み立てれば良い。

別の仕事では
店頭販売などでのお客様対応がある。

これにも「マニュアル」という
型にはまった対応の仕方がある。

店によっては客に対して
絶対にやってはいけないことという
禁止事項も細かく掲げられている。

対応内容にしても、
基本は店内の商品に関する質問など、
内容はほとんど限られている。

応用や例外といった事例は
顧客対応でもそんなにない。

現代の仕事は、万事こんな感じである。

僕が今携わっている求人広告の作成にしても、
仕事の流れはオートメーションのように
ほぼ一定であるし、書く内容にしても、
規定に沿うことが第一で、
内容はどれも似たり寄ったりになっている。
(本来はそれではいけないのだが)

こうした流れ作業と化した仕事は、
確かにAIにどんどん
取って代わられていくことだろう。

人間関係が大切な営業でさえ、
決まり文句を言ったり、
平身低頭のお願いばかりで
やり過ごしているようでは、
ほとんどのサラリーマンは行き場を失う。

そんな仕事を失うディストピアが、
予想とはいえ、
あと10年やそこらに迫っているのだ。

 

悩みの解決は価値ではない

AIに絶対に侵されない仕事というのは
ないのだろうか?

ハラリ氏のインタビューに対する答えを挙げれば、
「AIは進化を続ける。人々は一度だけでなく、
なんども自己改革を迫られる。」

要は、僕たちはAIの進化に応じて、
自分たちを、また自分たちの仕事を
考え、変えていかなければならないだろう
ということだ。

しかし、いくらAIが発展したとしても、
人類が存在する限り絶対に変わらないことがある。

それは、お金を生む仕事というのは、
直接的にも間接的にも常に人を相手にして
為されるということだ。

仕事というのは常に、
人が価値を感じることにおいて
生まれてきた。

価値を感じることがなければ、
それはお金を払うに値する仕事ではないと
僕たちは判断する。

では、人が価値を感じる瞬間とは
どのような瞬間だろうか?

ビジネスをやっている多くの人が言うのは、
何かしらの悩みを解決した時であるという。

でも、僕はこれは、価値の一部分しか
語っていないものだと思う。

もしも、価値というものが本当に
人の悩みを解決することでしかないのであれば、
例えばディズニーランドなど
悩みの解決とはあまり関係のないようなサービスに
なぜあれほど多くの人が集まるのだろうか?

別のところでも述べたが、僕は価値を、
人が自らの成長を実感することだと
感じている。

成長を実感したいからこそ、
ある人は何歳になっても勉強を続けるのだし、
またある人は現実での成長を諦めて、
ゲームなど空想の世界に成長を求めるのだ。

ただ、こうした成長の実感は、
マニュアル通りに進められた仕事からは
感じられない。

営業であれば、
毎年同じように契約を更新しているだけでは、
顧客もセールスマンも
だんだん停滞感を感じるようになってくる。

僕は前に広告営業を
少しやったことがあるのだけれども、
毎回同じような広告を打っているところは、
反響がなかなか出ないのはもちろん、
広告主も僕も、もうやめようか、
という空気になっていった。

しかし、広告の出し方を
常に試行錯誤していたところは、
長くも続くし、広告の出向回数も
増えていった。

世の中のビジネスを見てもそうである。

顧客が成長を実感できない商品を
売っているところは、
遅かれ早かれ廃れていく。

逆に、例えばコーヒーとともに高級な
雰囲気を売っているスターバックスのように、
幻想的にでも顧客に成長を
感じさせることができている企業は、
大きな成功を収めている。

 

価値とは成長、成長とは価値観の変化

しかし、本来価値になるべき成長というのは、
そうした幻想であってはいけない。

ましてや、安物を使っていたのが
給料が上がってブランド物を持てるようになった
というような外的な変化のことをいうのでもない。

本来の成長とは、その人の世界観や価値観が
ガラリと変わっていくことをいう。

人が「こいつは成長したな」と思うのは、
例えば普段なら些細なことに怒っていたものが、
だんだんと怒らなくなっていった
というような過程を見た時なのだ。

こうした成長というのは、
AIのような与えられたデータをもとに
適切な処理をするといった行動からは
導き出されない。

人間の価値観は、別の人間や
自らの実体験という
感覚的な経験によってしか、
変化させることはできないのだ。

もちろん、AIも成長するにはする。

しかしそれは価値観が変わる
というような成長ではない。

AIの成長というのは、ただデータを蓄積し、
そこから導き出される何かしらの問題に対する最適解
というものに過ぎない。

そうしたシステム回路は変わることがないだろうし、
人間の価値観に当たるシステム回路が
変わらないということは、
AIはそれ以上には成長しないということだ。

しかし、人間の思考というのは、
ただ物事の最適解を導き出すだけが
その役割なのではない。

人間の思考は、感覚や感情といった
機械には理解が不可能な働きをも受け止める。

そうした感情や感覚の受け止め方、
表現の仕方が変わっていくことが、
人が変わるということである。

 

AI時代に生き残る仕事

これから残る仕事というのは、
そうした人間の感覚や感情の受け止め方、
表現の仕方を進歩させてくれるような仕事だろう。

何か物を作るにしても、
人の感性を刺激するようなものが残るだろうし、
サービスにしてもただ心地よい感覚や、
何かしらの知識や知恵を与えるといったものではなく、
その人の世界観を変えるようなものが残っていくだろう。

だが、それは昔からそうだったように思う。

車にしても、人間のスピード感をガラッと変えたし、
携帯電話やインターネットは人間関係を変えていった。

もっとわかりやすいところでいえば、
本は読む人の人生を大きく変えるものだけが、
長く読み継がれ、そのうち古典と呼ばれるようになる。

今、僕たちがやる必要のある仕事というのは
そうした人の人生や価値観に訴えかけるような
心のこもった仕事だろう。

人言の人生や価値観は、
人間の心によってしか
変えることはできないのだ。

現代人はどうしても、
仕事をシステマチックにこなしすぎて、
自分たちが相手にしているのが
同じ人間であるということを
忘れているきらいがある。

人間を相手にしていると思っている人でさえ、
自分という人間はこうであるべきだとか、
この場面で相手はこう行動しているべきだと
思考がオートメーションのように
凝り固まっている。

しかし、僕たちが相手にしているのは、
決まった回路で動くシステムではない。

また、僕たち自身も
システム的な存在ではない。

僕たちはそれぞれが、心という
笑いもすれば泣きもする、
感性豊かな素質を持った
唯一無二の存在だ。

そうした唯一無二の存在に価値を感じてもらうには、
僕ら自身も唯一無二の存在として、
自らの感性でもって相手に向き合うしかない。

それこそが、
相手が未知なる価値観に触れる機会になるからだ。

自分の感性を信じ、
それでもって仕事を表現すること。

それこそが、AI時代に生き残る仕事の特徴である。

 

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